急須の形ができるまで

四日市には古くから、粒が細かく

粘性のある土がありました。

そんな土の性格を生かして、

胴体に蓋、持ち手に注ぎ口など

急須はいくつかのパーツに分けて作られます。

作り手が減った今では機械ろくろの力も

借りながら大切なところは手作業で。

さて、急須はどのように、

その形を纏うのでしょう。

手引と比べて淡白にも見える、機械ろくろ。

でも本当は、とても細やかな作業です。


石膏型も、型屋さんの手作業。

微妙に異なる癖を見抜いて、

丹念にパーツを整形していきます。


型をセットし、土を入れたら

素早くコテを落として成形。

効率は少しいいけれど、

見抜いた癖や気温や湿度に合わせて

コテに伝える力を変えたり、

手間は意外と変わらずなのです。


仕上がったパーツを程よく

乾燥させたら、次の工程。

胴体や蓋に茶こしの穴を開けたり

型では表現できない曲線やくぼみを、

手作業で削り出します。

先代もまだまだ現役

誰よりも熟練した技で南景らしい

独特な形を表現してくれます。

それぞれのパーツが仕上がると

今度はいよいよ接合。

水で溶いた土を刷毛でパーツの

淵に塗ってそっとくっつけます。


それぞれのパーツに高い完成度を

要し手作業で接合する

すこし神経質なこの工程。

単純なようでごく限られた

窯元だけが採る技法です。

そうして組み上がった急須は

素焼きと本焼きを経て、仕上げの工程へ。


窯入れ前の急須がすこし

大きく見えるのは、焼くと

縮むことを考慮しているから。


大きなものほど、大きく縮む。

だからさらに大きく作らなければ、なりません。

最後は、蓋と胴体の擦り合わせ。

高速で回る機械に蓋をつけるとあら不思議。

胴体と隙間なく、合わさります。

こうして手作業で作られた

急須の胴体と蓋は、唯一無二の関係。

ここまでおそよ、1ヶ月の道のりです。

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